よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

ブリオッシュ

ブリオッシュ

「パンがないならお菓子を食べればいいのに」は、マリー・アントワネットの言葉と伝えられていますが、じっさいはそうではないようです。そもそも「お菓子」ではなくて「ブリオッシュ」であるらしい。
フランス語で“Qu'ils manget de la brioche”というのを英語で“Let them eat cake”と訳したみたいです。



初出はなんとジャン・ジャック・ルソーの「告白 第6巻」。
1740年、彼がリヨンのマブリ家で家庭教師をしていた時のことである。その家のいいワインを何本か失敬して自室でひそかに飲もうとしたが、彼はパンがないと飲めないたちだった。しかし、立派な紳士が家の自らパンを買うことは出来ず、さりとて下男に買わせれば盗みがばれてしまう。窮余の一策として彼は、「さる高貴な妃(王女)が、『農民にはパンがありません』と言われ、『ブリオーシュを食べればいいわ』と答えたのを思い出した」(原文)。
ブリオーシュは小ぶりの丸パンの上に、さらに小さな丸パンをのせた形の、菓子パンである。ルソーはこれを買ってきて、ワインをちびちびやったのであった。形が王冠に似ているところから、「王の菓子」とも呼ばれ、確かにマリー・アントワネットに適(ふさわ)しい。(「名言の内側」より)


ブリオッシュは形がかわいらしい菓子パン、卵やバターをたくさん使っているので贅沢なパンですね。