よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

生理はコントロールできるのか

本屋で見つけた「オニババ化する女たち」という本。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334032664/qid=1119856664/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-2153138-8409114

題名がセンセーショナルなのでちょっと手にとって見たんだけど、これは主に、著者の「昔の女性は生理がコントロールできた」という理論を展開しているものだった。ソンならこんな題名つけるなっての。
大分前に新聞の人物コラムで昔の女性は下腹部に力を入れて、生理の出血をコントロールしていたので、下着を汚すことがなかったなどという話なので、そんなうまい話があるのかと思ったものだった。よく読んでみると今の90歳以上の女性はこれができていたのに工業的なナプキンの登場により今の女性はこれができなくなってしまったと嘆いている。今からでもこの知恵を取り戻そう!といった感じ。

わたしは更年期なので黄体ホルモンの減少が著しくて、いまやとんでもなくでっかいナプキンを使用しておるので、こんな話を聞くとそんなことができるんかい!?と疑ってしまう。というか一般的に、今どきの女性は経血が多いらしくて、近年はナプキンがどんどん大型化している。

昔は下着を着けていなかったのに、服を汚さずにすんでいたのは、出血をコントロールしていたからだという。さあ、それはどうかな?江戸時代の外人さんの日本日記なんかには、働いている女たちに経血で汚れているものがいるなんてのも読んだことがある。生理用品の歴史なんぞを読んでみても、パンツがなくても腰巻を股に回して帯に挟んだらいいわけだし、下帯といってふんどし状のもの月帯・股ふさぎなども存在したのだ。

http://www.908.st/mt/citron/archives/cat_179.html

昔の人は初潮があったら嫁に行って、できなくなるまでどんどん子どもを産んでたから、生理の総合時間は短かったんじゃないかしらね?出産後は授乳しているので、ながいこと生理が再開しないし、ますます生理用品は必要がなくなってくるというものだ。

また文中に出てくる90歳以上の女性の証言も、数が少なすぎてそれが普遍的なことというにはちょっと疑問が残るのだ。なにぶん年齢的なことからもこれ以上の証言数は見込めないだろう。それをあたかも歴史の事実であるかのように書くのはヨクナイと思う。