よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

モーレツ!怒りの相談室に採用される

鈴木の「鈴」の字が違うと郵便局に呼び出された一件を
「痛快エブリディ」の「怒りの相談室」に投稿したら、採用されて今朝放送になりました。


「鈴」の右側が「マ」になってるのは教科書体でありまして、
手書きの文字はこのように書くんだと教わったハズでございますが、
エブリディの出演者の皆様は6人中2人が活字体の書体になっておりました。


結論を言うと「鈴」の右が「マ」でも「令」でも同じ字なのでございます。
以下文化庁の「明朝体活字と筆写の楷書との関係について」です。
常用漢字表では、個々の漢字の字体(文字の骨組み)を、明朝体活字のうち一種を例に用いて示した。このことは、これによって筆写の楷書における書き方の習慣を改めようとするものではない。字体としては同じであっても、明朝体活字(写真植字を含む。)の形と筆写の楷書の形との間には、いろいろな点で違いがある。それらは、印刷上と手書き上のそれぞれの習慣の相違に基づく表現の差と見るべきものである。」


ちょっと前の朝日新聞「ウィークリー教育」の「ことば力養成講座・教科書体と明朝体」では、
「学校では『改』という字の『己』は、はねない、塾でははねると言われたけど本当はどっちなの?」というお便りを例にして、どちらも間違いではないといってます。これが字体による違いです。
手書きの文字に触れる機会が減り、活字との違いが体感しづらい。漢字指導は難しくなっている。」と結んでおります。
「糸」なんて字は手書き明朝体が大分違いますが、これを明朝体で書く人はほとんどいないと思われます。


大谷さんは間違いやすい漢字に「巳(シ)」と「己(キ)」とその中間の字「已(イ)」があると例を出していましたが、これは字そのものが違う字ですので、「鈴」の場合とは異なり、例としては不適当でしたね。
斉藤の齊藤・齋藤・斎藤は全て異なる字で、これまた書体の違いではありません。


貯金事務センターの答えは手書きの申込書と発行する通帳の書体の一致を求めており、どちらでも正解であるという文化庁の漢字の見解とは異なるものになっとります。
なお通帳の発行にはどちらの書体の漢字も使えるということです。(うちのパソの書体はフォントが違うのでませんな)じゃ証明書はというと、大阪府は免許の書体はどちらかを選びたいというなら選べるそうです。(選べるからといって「どっちにしますか」と聞くことがあるんでしょうーか。)

「郵政省には石頭とずさんな奴しかいないのか」という発言には全くもって同意するものです。


番組の結論としては「郵便局に持っていく身分証明書と同じに書くが良い」となっており、なんだか納得がいかないワタクシでした。いまどき活字でない身分証明書がどこにあるんだよ!思い浮かびませんわ。


でもまあ、2000円のクオカードがもらえるそうなので、そこは嬉しいです♪


参考:光村図書「文字の字体について〜教科書体と明朝体とゴシック体」
http://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyoka/Kokugo/C_qa/number/c01.asp

1/12の日記
http://d.hatena.ne.jp/oomesikurai/20060112