よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

老婆餅

去年香港の大食い大会で小国君が食べた「老婆餅」についての話題。


朝日新聞(11/14)の「食在遠近」というコラムに載ってました。


「中国本土との境界に近い香港・新界。その中心街『元朗』で、1950年に創業した老舗菓子店『栄華』の看板商品が老婆餅。元朗に行ったら老婆餅。80年代、鉄道や高速もなく、九竜半島の繁華街からバスで1時間以上はかかった。恋人のために愛車を飛ばして温かい老婆餅を届ける青年の姿が、テレビドラマのシーンにもなった」


ほほお、けっこう有名なんですね。


「『老婆』は中国語で妻、『餅』は小麦粉をこねて焼いたり蒸したりする食べ物のこと。直訳すれば『女房まんじゅう』だ。その昔、病気の親の薬代を稼ぐため富豪に身売りした愛妻を取り戻そうと、貧しい夫が知恵を絞って売り出した。それが始まりだそうだ」


いやはや「老婆」が「妻」のことだとはネ・・・。あ、中国語の「老」はいい意味です。


「貧しさが産んだ銘菓の名残は、トウガンに砂糖を加えて煮詰めた白いあんにある。中国華南地方では、トウガンは最も安く、手に入りやすい食べ物の一つだった。」


日本じゃトウガンは煮物に使うぐらいですけどね。トウガンのあんも、もちもちしておいしいそうです。


「『安くて食べ応えがある。僕が子どものころもおやつといえばこれでした』。栄華の李応権経理(65)は話す。思い出の味なのだろう。香港から世界に出て、成功した華僑たちの香港土産として根強い人気がある。
 近年はあんの種類が増えてアズキやゴマなど20種類以上。健康志向の反映か、もともと大人の手のひらほどもあった大きさは年々小ぶりになっている」


というわけで老婆餅で大食い大会となるのでした。



作り方は
「小麦粉に卵、植物油、水を加えてよくこねる。これに、小麦粉を水だけでこねたものを加えて皮をつくる。トウガンと砂糖を水分を飛ばしながら一緒に煮込んだあんを皮でくるみ、表面に卵の黄身を塗ってオーブンで約20分焼く」


これで皮はパイのようなさくさくしたものになるのですね。


http://www.asahi.com/international/weekly-asia/TKY200611140195.html「老婆餅」