よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

ちいちゃんのかげおくり

震災のとき小学3年生だった長男がちょうど国語の授業で「ちいちゃんのかげおくり」をやっていたのを思い出したので書いて置きます。


震災の直後ですが小学校はほどなく再開して、毎日学校に通っておりまして、「教科書を読む」っていうのが宿題でこれまた毎日の課題でした。


この物語は父が出征し、残された母子が東京大空襲で家が丸焼けになるという話なのです。


震災で家がつぶれ、長田区の焼け野原から逃れて、ウチのダンナの両親が一時マンションに同居してたときです。宿題を長男が声に出して読むたび重苦しい雰囲気になってまいります。


何回か続いたあともうガマンできなくなって「読まんでええから!」とやめさせたんですが、なにしろ宿題ではございます。
お母さんは担任の先生にあてて「連絡帳」に長い文を書きまして、違う課題に変えてくれと頼んだのですが、叶いませんでした。
「これはキマリですから」
そんな無神経な担任の先生にはなにも思うこともありません。


その3年後、神戸で酒鬼薔薇事件が起きました。学校の校門に生首が乗せられていたあの事件です。
このときは国語の教科書に「強風でバケツが転がって、生首の転がるようすを思い出す」というような文が載ってたのですが、そこはいかにもまずかったらしく、学校ではやらないことになりました。


http://hanabi.oops.jp/book/book9.htm
「ちいちゃんのかげおくり