よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

トリハロメタン

今週は浄水器のセールやってるのでお客さんに「トレビーノ」についていろいろ聞かれました。トリハロメタン除去効果があると高価になるんです。


で、トリハロメタンってなに?


水道水には消毒のため次亜塩素酸が添加されています。塩素には残留性があるので継続的に衛生が保てます。
この塩素が水に含まれるフミン質と結びついてトリハロメタンクロロホルムやブロモジクロロメタンなどの消毒副生成物ができます。この物質が発がん性があるといわれており、水道水が危険だという根拠にもなっています。
しかし、ウィキによると「トリハロメタンのうちクロロホルムおよびブロモジクロロメタンについてはIARC(国際がん研究機関)においてGroup2B(発癌性があるかもしれない物質)として勧告されている」とあり、これはグループ2Bだということがわかりました。
グループ1が「ヒトに対する発癌性が認められる」、グループ2Aが「ヒトに対する発癌性がおそらくある」、グループ2Bが「ヒトに対する発癌性が疑われる」、グループ3は「ヒトに対する発癌性が分類できない」グループ4は「ヒトに対する発癌性がおそらくない」というレベルです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3
トリハロメタン」(ウィキペディア

なお、1988年にアメリカでトリハロメタンが流産のリスクを上昇させるという報告がありましたがその後の調査では、影響はないと言う結論です。


http://www.metamedica.com/news2006/2006112501.html
「水道水のトリハロメタン、流産のリスク上昇なし。」(Tsubono Report)


危険な物質が出来るのなら塩素消毒をやめたらどうかという意見には、1991年ペルーでコレラが流行し、13000人が死んだという事例が語られます。リスクの大きさを勘案するとトリハロメタン発がん性の比ではありません。消毒をやめてしまうなど暴挙です。


しかし、ペルーではほんとに水道の塩素消毒をやめたことがあるんでしょうか。
この話が「都市伝説」であるという記事を見つけました。


http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/rachel/rachel_05/rehw_823.html
「都市伝説: ペルーのコレラ流行を予防原則のせいにする」(レイチェルニュースの翻訳)


伝説は「『ペルーで予防がコレラの原因となった』という都市伝説は次のような」ものである。1981年、ペルーの衛生当局は予防的措置として塩素化副生物による危険ながんの発生を防ぐために飲料水への塩素添加を止めた。このことにより、飲料水がコレラの発生をもたらし数千人のペルー人が死亡した。この伝説は、”リスク評価が間違っていた”例として取り上げられている。言い換えれば、ペルーの公衆衛生当局はこの二つの危険を勘案し悪い方を選択した。彼らは小さな問題を避けるために塩素添加システムを止め、その結果もっと大きな問題を引き起こした。これが伝説の顛末である。」といった内容。


しかしペルーの実態はスワードロー調査によれば、


A 塩素添加システム(又はその他の殺菌システム)がペルーのほとんどの水供給にない
B 人々は自分の家に水を引き込むために給水本管にパイプをこっそり差し込み、裂け目を紙とプラスチックでふさぐので、細菌が給水本管に入り込むことがある
C 地域の農民は野菜畑(キャベツ、レタス、にんじん)の灌漑のために不法に下水管にパイプをつなぎ未処理下水で灌漑する
D (ポンプ停止時あるいは停電時に)水圧が下がる又はなくなり、給水本管に汚染物が逆流する
E 多くの共同体には下水処理システムがない
F 貧困者層の地域では給水が断続的又はないので多くの所帯では樽に水をためておくが、多くの人々が水を汲むために手や腕を樽の中に入れるので細菌が家族に広がる


と驚くべきしろものです。塩素添加を辞める決定を下した(そもそも初めから添加されていないらしい)事実も確認できなかったのでした。


http://miyajee.free100.tv/mizutokenkou.htm
「シリーズ地球と人間の環境を考える7 水と健康」