よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

「キーボード配列QWERTYの謎」

パソコンのキーボードの配列って不思議だなあと思っていたので、この本を図書館から借りてきました。


「キーボード配列QWERTYの謎」(安岡孝一+安岡素子著 NTT出版)2800円(税別)


結構な価格の本じゃありませんか。図書館になきゃ読まなかったかもしれません。


ところで、この本の分類が「582」ですが、これは「事務機器 家庭機器 楽器」なのですわん。こんなところを探す人なんているんだろうか(自分のことはさておいて)。本をお探しの方はご注意ください。


タイピストがなるべく打ちにくいような配列にしたんだ」と、まことしやかな説が流布していますが、「・・・・でもこの回答は嘘だ。全くのデタラメだ」と一刀両断。
実際はそうではないのだと詳細かつ膨大な資料で証明しています。目からウロコです。


ピアノの鍵盤のようなキーボードから始まり、アルファベットを2行に配し、左から右にABC・・・ときてOで下段右下に折りまげて左に行ってZで終わるものになると、今のものにちょっと近づいてきた感じがするのでした。これが1968年。


1972年の図版にはもうQWE.TYが上段にできてます。
その途中経過ともうしましょうか、脚注の★15に作者の推測による3列のキーボードが掲載されてますが、「しかし、各段10個ずつしかキーがないため、13文字も収納するのは無理だから、3文字を上の段に取り出さねばならない。取り出す3文字を母音ということにすれば、A〜Mに対してはA、E、Iの3文字、N〜Zに対してはO、U、Yの3文字となるので、ちょうど具合がいい。」と、はなはだ合理的な理由で3段のキーボードができあがっていきます。


この推定による配列以外では「A」が上段に配されたものはないので、「A」は常に2段目左端であったということもなきにしもあらずと思います。左はAで始まり最後はZで終わるという従来の配置に愛着(?)があるというかなんというか。合理的な理由でばかり決まっていかないこともこの世の中多いものですからね。
(これはただ私がそう思っただけなので、あまりつっこまないでください。)


日本語を表示するために、大方の人がローマ字入力をしているのも不思議なことです。親指シフトやM式キーボードも使ったことがあるのでなつかしいです。




参考
http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/keyboard2.htm
「キーボードのキー配列(歴史)」

「・ 中段は、アルファベット順で 
・ 上段と下段は、打ちやすさで」
とQWERTYの配列を解釈しています。