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よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

脱サラしてコンビニ

前の前のマネージャーが、退職勧告とともにコンビニ開業の募集に応じていて、開店までの期間だけということで、お店に転勤してきた人だった。

 

15年前に私が来た時にもいたのだけど、その頃は若くてスマートで、背も高いし、かっこいい店員だというので人気もあったのである。ほどなく転勤していったが、こんなところで再会するとはね~。奥さんの地元がこちらの方なので、近くにコンビニを開業するというのである。

 

人員整理の一環として、40代以上に退職勧告、退職金の上乗せもある。退職後のコンビニ開業も勧めていて、500万必要な開業時の資金を援助してくれる。けれど、開業するのは勇気がいる。今まで出勤さえすればマネージャーなら6~700万円ほどの年収があるはずである。バイトの確保も大変であろう。24時間営業するのには夫婦揃って身を粉にして働かなくてなならぬ。

いろいろ懸念材料があるにもかかわらず、同僚の成功例を聞き、年収1000万円超えを目指しているようであった。店を二件出して、経営がうまくいっている例である。

 

「コンビニの店長じゃなくてさ、オーナーさんだからさ、店はパートとバイトとに任せて、俺は働かないの」

「みんなこんなところで働いててバカじゃないの、おれはもうすぐオーナーになるんだから」

「ここの地域の客は程度が低い、貧乏人ばっかりだ。あんたら(パート)も、早く辞めたら」

 

今までの会社勤めがよほど辛かったのだろうか、何を吹き込まれたのか知らないが、こんな上司のもとで働きたい人間がいるだろうか?いや、いない。この先、自分の店を構えてもバイトが居つくのであろうかと、余計な心配をしたものである。店を任せるパートもいないであろう。

 

ポイントカードの勧誘もノルマを達成するために、遠くの親戚の名前を借りて作ったり、クレカの場合は申し込んですぐ解約したりしたらいいんだからといって不正を勧めてきた。倫理観も欠如した男である。

 

お客さまのクレームがあると報告するパートに対し、

「うるせえなあ」

 と、あからさまに嫌な顔をしていたが、直後に満面に笑みをたたえて

「お客様、いかがなさいましたか?」

と向き直って豹変していた。ある意味店員の鑑。真似したくない。

 

さっさとコンビニを開いて、ここをやめてもらいたいものであったが、予定の土地に上モノができるまではマネージャーである。

 

さて、半年ごとにパートも査定があって、点数がつけられる。彼にはこの店のパートは全員が点数が高すぎる、以前にいた店に比べて平均で10点以上高いので、みんなの評価を下げると明言していた。そのとおり、皆10点以上点数が下がったのである。

もうすぐやめるやつが、なぜ評価を下げていかなくてはならないのか理解に苦しむところである。

 

その翌日朝から彼は機嫌が良く、目撃した人によると

「点数下げたった、おもろいなー、みんな給料下がった下がった~」

と歌いながら売り場の通路で踊っていたそうである。

 

元の時給がたいしたことないのであるから、評価給が下がったところで月額1000円程度の差しかないので誤差の範囲である。そこまでして皆に嫌われたいのかと驚くばかりである。

 

そうしてやめていったので、開店後うちのコンビニに来てくれといった挨拶もなく、姿を消したと思われた。

 

あれから半年ほどたったが、人づてに聞いたところによると、彼は夜はコンビニに寝泊まりしているそうである。奥さんは地元の人なので、実家住まいで別居。夫の仕事に協力はしないと言っていたが、そうもいかないようで、「こんなはずではなかった」と言っている。収入も思ったほどではないそうである。

 

因果応報。