よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

語り部ってなんなん?

関西方面は閉店ラッシュである。全国で40店舗が閉店するという事態なので、近畿圏でも今年に入って3店舗が閉店となった。

 

店員全員が聞くようにと時間を決めて事務所に集められて、閉店となった店の最後の店長がそれぞれ体験談を話す。

 

いうても閉店になって、なくなった店のことである。うちの店もいつ潰れるや知らん、心構えとして聞いておけということなのかと思ったが、どうもそうではないらしい。

 

閉店になるからといって、閉店まで何もしないで商品を減らして火が消えるようにして消滅するわけにも行かず、われは閉店までいかように店を盛り上げていったかという自慢話なのであった。

 

「京都の店は私が着任した1年前は、とにかく店全体の雰囲気が悪く荒れていました。これはサツキです。こんなに伸びるんですね。敷地の周りも雑草が生え放題で、まず、草むしりから手をつけて行きました。これは閉店まで続きました。枯れたサツキを根っこから掘り起こし、草をむしって綺麗になったところには花を植えた。店の案内表示も開店当時のままで変えていなかったもの、改装するごとに店内で印刷して変えました。ポスターなども何年前のだという古いものがあった、これを撤去し、通路を塞いでいた特売のワゴンや突き出しを取り除き、通路を確保したのです。

そうすることでお客さんが増えていきました。

空いているスペースは無料で地元の方に開放し、定期的にバンドやコーラスなどのこサートを開催しました。

地元のキャラクターは無料で使用できることになったので、活用させていただいた。キャラを取り入れたプリペイドカードを6000枚作って完売しました。これはその後も3種類ほど作りましたが、いずれも完売しました。

キャラを使った地元の食材の丼もの、これは目標を上回る売上を達成しました。

地元のつながりを大事にしていたら、コンサートでいつも来てくれてる学校のバンドに豆大福の有名店の職人の娘さんがいて、その関係で○○ふたばの豆大福をお店で扱えるようになったんですよ!京都の店で京都フェア!これがいつも大人気でした。

最後の日には閉店後プロジェクションマッピングをしましたが、これも予算がないところを地元の会社が格安で引き受けていただき、多くの方に見ていただきました。

 

意識改革で売上はV字回復していたのですが、何しろ時間がなかった。あと一年、二年あったら・・・。

 

最後までみんなに愛された店とした終わることができましたが、心のこりなのは、ほとんどのパートさんが仕事を辞めてしまったことです、次の仕事がありません。近隣の店舗に移ることができませんでした、一番近くに店でも2時間かかる、移ることができたのは3人だけでした。200人近い方が仕事をなくしたわけです。

ここに居るみなさんは店がある、この職場を大事にしてください。」

 

 

長い長いお話のあとはO店の閉店のニュース映像でした。

「1年半前に京都から来たO店の店長は・・・・」

するってえと、京都の店をボロボロにして出て行ったのはこの店長ですか?

なんだか世知辛い話をさんざん聞かされて、疲れましたなあ。店の為に尽力するのもよろしいが、パートさんの再就職先も探してあげなさいよ。