よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

今は昔のボットントイレ

汚穢船

バキュームカーはえらかった!」(村野まさよし)という本がありました。図書館へ行ったら見つかると思います。

下水道が発達する前までは(ついこのあいだだ)、汲み取り式のボットン便所を使っていて、便槽がいっぱいになるとバキュームカーが吸い取ってくれたのだった。
臭いながらもバキュームカーのお世話にならずに済むわけはないので、何ヶ月かにいっぺんは邂逅することになる。

このバキュームカーは昭和27年川崎市の清掃課の工藤庄八さんが開発した。(それまでは肥びしゃくで肥桶に汲んでたのである。)
バキュームカーで汲み取ったし尿は、東京ではオワイ舟などで運ばれ、海洋投棄された。
実態はというと、「野島崎灯台沖、何マイルというような投棄の場所に行ってバルブを開けると、黄色い帯が何百メートルも船の後ろにつづくんですよ。走りながら排出するわけですからね。」(上記の本より引用)といった具合で、海をきれいになどという近年のスローガンがはだしで逃げ出す迫力である。
http://homepage3.nifty.com/dabohaze/kibo/note/haisetu/haisetu-5setu.htm

2002年に海洋投棄を禁ずるロンドン条約を批准、廃棄物処理法施行令を改正した。しかし5年間猶予期間があり、2007年1月末まではいいのである。ということで、2007年までに何とかしたいと思いつつまだやってるところがある。
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「2007年1月末までにし尿の海洋投棄が禁止されるため、津市の近藤康雄市長は15日、市議会の一般質問で、安濃町で稼働しているし尿の陸上処理施設「安芸、津衛生センター」の処理能力を上げる整備計画を明らかにした。総額7億9400万円の予算をかけ、浄化槽汚泥脱水機などを新設する。 (高橋 健一)

 伊勢湾に面する津市は1958(昭和33)年から、し尿や浄化槽汚泥の海洋投棄を続けている。昨年度は、志摩市の大王埼灯台から50カイリ離れた沖合に、約2万500トンを投棄した。しかし、国は海洋投棄を禁ずるロンドン条約を批准し、2002年に廃棄物処理法施行令を改正。07年1月末にし尿が投棄できる猶予期間が終わる。

 津市は現在、し尿処理を海洋投棄に加え、安芸郡三町村と一緒に安濃町の陸上処理施設で処理している。津市は陸上処理施設を再整備する際、周辺住民の理解を得るために、臭気対策に取り組む。

 計画では工期は今年10月から1年間。市環境部は「猶予期間が終わるまでに海洋投棄を終了したい」と話す。」(中日新聞2005・6/16)