よしなしごとダイアリー

日常のあれこれをああでもないこうでもないと考える

ポリカーボネート

私の勤務しているお店ではポリカーボネート製の哺乳瓶を売ってません。それどころか吸い飲み(寝たまま水が飲めるやつね)やコップなどもポリカーボネート製の商品はダメなんですと。口につけるものにはポリカーボネートが使われているものは売っておりません。会社のHPにもたからかにうたってます。コンプライアンス(企業の社会的責任)ですと。この語句を会社の補助がでる通信教育で学びました。いかなる経験も無駄ではないのですぞ。


頃は1998年。この年「奪われし未来」という本が出版されて環境ホルモンが危険であると喧伝されたのでした。


しかし環境ホルモンという新たな環境汚染の正体やいかに、ダイオキシンはねずみに有毒で微量で致死量となりますが、人間においては代謝系が違うため死に至るまでには桁違いの量が必要になります。イタリア・セベソで工場の事故によりダイオキシンが広範囲に汚染されましたが、死者は出ていません。ロシアの大統領選で候補者にダイオキシンが盛られましたが(すごい国だ)、顔に特有の吹き出物ができましたが、死には至っていません。


サカナやワニがメス化するというのもこの本の指摘でしたが、動物の雌雄を決定する要素はさまざまで、ホルモンの作用だけではありません。ワニは卵の孵化するさいの温度、ある種の魚はサイズの一番大きいものがオスになるとか、まあ、いろいろあります。


そういうことで環境ホルモンの話題は下火になっていったのですが、10年前に「環境ホルモンの疑いのある商品は売らない」と決定したものがいまでも有効なわけです。


哺乳瓶は日本ではガラス製が多いですが、欧米ではプラスチック製が多いと聞きます。カナダではことしポリカーボネート製哺乳瓶の販売を禁止する決定をしました。なんでいまごろ。環境団体からの圧力というのもあるやも知れません。


普通毒性というのは少しずつ高濃度にしていって、どこまでいったら死ぬかというので致死量が決められるわけですね。ビスフェノールAに関しては、ごく低用量を妊娠中のねずみに与えたところ、生まれてきたねずみの性周期に異常があったという実験が発表されました。追試がまだ確認されていないのですが、疑わしきは避けるといった意味で、乳児には使用を避けたいと思うのは理解できます。


ポリカーボネートビスフェノールAを重合して作るプラスチックで、最高の堅牢度です。落としても割れない。昔像が踏んでも壊れないとCMしていた筆箱もこれです。そしてエポキシ樹脂もビスフェノールAが原料です。ポリカーボネートを使用禁止にするなら、エポキシ樹脂も禁止にしなければつじつまが合いません。接着剤以外にどこにエポキシを使うのかといえば、缶詰や飲料缶の内側のコーティング、アルミボトルの内側のコーティングもそうです。当店ではコチラのほうは販売しているので、間が抜けてるというかなんというか、整合性がないんじゃないかと問い詰めたいところです。化学的な判断より、マスコミで騒がれたものはとりあえずいっちょと乗っておこういうというわけでしょうか。


http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0708-2.html
ビスフェノールAについてのQ&A』(厚生労働省